2011年 04月 14日
日本のマスコミの品性を疑う
)、「首相『住めない』報道に反発 飯舘村長『本当ならがまんならぬ』」(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/502398/)。
正直、日本のマスコミには事実を冷静に受け止め分析し、公衆に提供するという意志はないのかと感じる。要するに、このマスコミの態度は、『悲しがっている人がいるのにそんな残念な見通しを言ってしまってはかわいそうだよ』、と言うことにつきる。気の毒な立場にある人に共感を持つのは良いが、肝心の見通しが相当なものかどうかを問題にせず、ただただ情緒的反応に終始するというのは、理性のある大人の態度としてどうなのか。語弊を恐れず言えば、いわゆる『オンナ子ども』の態度にしか見えない。これでは、今回の事態の出発点となった福島第一原発の事故のレベルを出来るだけ小さくみなそうとした姿勢を繰り返しているだけのことだ。
そもそもこれはニュータウンの建設の話だった。「松本氏は、長期間にわたって原発周辺が居住困難になる見通しを首相に説明したことは認めた。その上で移住先として内陸部に5~10万人規模のエコタウンを建設する案を示し、首相も賛同したことを明らかにした」(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/502386/
)ということだ。
東芝が福島第一原発の廃炉プランを発表したが、それによると10年以上かかるという話だ(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000594-yom-bus_all)。これから商売を取ろうとする業者の荒っぽい見積もりで10年以上かかると言っている。それからすると、福島第1原発から半径30キロ圏内などの地域について「そこには当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」という発言(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041300644)がそんなに妥当性のない話なのか。荒唐無稽のデマを言って人々を無用に怖がらそうとするというのならもちろん糾弾の対象になって良い。しかし、理性的に考えていかにもありなんという発言に、それが本当なら被災者がかわいそうというだけで、本当らしいことを言う発言を情緒的に攻撃する、そして、それだけ、というのは理性のある人の行う態度とは思えない。私生活ならそれでも構わない。でも、マスコミは公器だ。そして福島第一原発の問題は社会的公的問題だ。公的な問題を痴話げんかのレベルで語って欲しくない。日本のマスコミの品性を疑う。