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日帰り ぶどう峠越え・十石峠登り返し 222㎞ツアー (2)

十石峠に向かって上り始めると蓋をしてある側溝の中で大きな音がしています。上の方では相当降っているのかなと空を見ると、まさにその様子。いかにも雨を降らせているような雲が一帯の山すべてにかかっています。しかも、時々稲妻も走ります。勘弁してくれよ、カーボンの釣り竿に落雷して死んだなんて話は昔から聞いているけど、まさかカーボンの自転車に落雷して死ぬようなことにはならないだろうなと半ば本気で心配しながら、ペダルを漕ぎます。予想した通り長野側からの登りは群馬側からよりはユルかったのですが、それでも、楽ではありません。そして、あそこから路面が濡れているなあというところまで行ってみると、本当に降っています。小雨から普通の降りへ。簡単に雨雲が遠ざかってくれる様子はありません。5トン以上のクルマは十石峠は登れないので迂回しろという表示が出ていますが、2車線の道路がずっと続いています。
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【登る途中にあった古谷ダム。】
やがて雨があがったころ出て来たのが「乙女の森」。ほう、ジイさんは寄っちゃ行けないんだよなと見渡してみましたが、とりあえずは乙女の姿は見えず。その上に「乙女の滝」というのがありましたが、その辺で2車線道路がやっと終わっていました。
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【佐久町時代に作られたんですね。なかなかロマンチック。これより上に人家はありません。】

でも、上に行ってみると、飛び石のように2車線区間がありましたよ。ずっと、道の横にせせらぎがありましたが、いよいよ峠の頂上に近くなってくると離れます。そして、道の斜度もかなりキツイです。ダンシング以外だと大変すぎる感じ。まだ終わらないのか、まだ着かないのかと思いながら漕いでいましたが、2時40分頃、ついに十国峠に到着しました。。
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【長野県側に建つ展望台。】
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【展望台からの眺め。一面に晴れ渡っていて、すぐあとに起こる天候の異変はまったく伺わせません。】
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【展望台の下には3人の方がおりました。一人は大きなアンテナを広げて交信をしています。もう一人は大きな捕虫網を2本持ったおじさん。虫好きの少年がそのまま歳を取った具合ですね。そして、オートバイ乗りの方。】

エネルギージェルをすすった後、群馬側に下ります。3時です。ウグイスの「ホーホケキョ」の鳴き声を聞きながら気持ちよく下っていると、軽自動車が目の前に現れました。大宮ナンバーの二人乗り。車としては普通に下っているようですが、ロードバイクからすると遅いです。ぴったりと着きっきりという展開になったのですが、ドライバーは気づいていないのか、気づいていても自転車に道を譲るなんてプライドが許さないと考えたのか先に行かせてくれません。この道、軽自動車同士でもすれ違うのはやっとという狭さなので、走っている車を抜くのは危険過ぎます。
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【十石峠名物の張り出した崖。雨が降り出しているのに道の端は乾いていますね。このおかげで高さ3m以上のクルマは通れないようですね。】

そんな調子で半分ほど降りたころ、雨が降ってきました。おいおいおい、さっき止んだのにまた雨かよと空を見ると、長野で見た空とは大違い。見渡す限り雨雲に被われています。すぐに雨粒が大きくなり、土砂降りになってきます。顔が痛いです。長野側を登っているときは雨に濡れても良い冷却効果くらいのものでしたが、胸だけでなく背中の中もびっしょり、靴の中もびっちょりとなってみると、寒くなって来ました。ひどく寒い。ブレーキも効かなくなって来ました。ブレーキレバーを思いっきり握っても、緩やかにやっと止まれる程度。これはヤバいことになったと思っているうちに、道が河に変わります。ドウドウと凄い勢いで水が流れる中を、効かないブレーキを掛けながら、カーブをゆったりと曲がります。前輪が滑らないように重心の位置に神経を使いながら。太い道まで降りると、脇道からクルマが出てきて抜いていきます。道にたまった水をざぶんと跳ねかけられますが、それが生温かくて良い気持ちです。そんな具合で、震えながら何とか下りきり、上野村のふれあい館に飛び込みます。オートバイのライダーが10人ほど、先に避難していました。4時頃。

トイレに入ると、少し寒さが和らきましたが、出ると、少しの風で凄く寒い。これではとても走れない、と雨宿りをすることにします。大型ディスプレーが甲子園の帝京対花巻東戦を映しています。結局7回から試合終了までずっと見てしまいました。その間、暖かい白湯を4カップいただきました。ウェアは少しだけ水分が抜けてきたようです。ドアを開けて外を見ると小雨。これはもう行くしかないなと再び出発したのが、4時45分。ペダルを回した途端寒くて震えましたが、走っているうちに体が温まるだろうと期待して進みます。ブレーキの効きが回復していたのが救いでした。道の脇から「カナカナ、カナカナ」と蝉が応援してくれているようでした。

やがて雨は止んだのですが、神流町に入るとまた降ってきます。その中を走ります。結局雨は家に帰るまでほとんど止むことはありませんでした。途中水分補給を2度行いましたが、再び走り出すと寒い。温まった体温がちょっとの間に下がってしまうようです。
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【神流町で。あの山の向こうは秩父でしょう。雨雲が低い。】

児玉に入ったとき再び土砂降りになりました。やはり寒くなるしブレーキは効かなくなるし、しかも市街地なので赤信号で何度も止められる。ひどい状態でした。でも、もっとも印象的だったのは市街地を出るときです。市街地からの道がバイパスと一緒になる交差点の手前。車が数台止まっています。見ると、先頭で警察官が軽自動車を脇に入れようとしています。事故なのかなあと近寄っていくと、警察官はメジャーを軽自動車に当てて何事かドライバーに説明しています。道路が信号の手前で冠水しているんです。多分、この車高では通れないという話をしているのでしょう。私は構わず、その冠水の中に突っ込みました。どんなものかなあと思っていると、どんどん深くなり、ペダルを踏む靴が両方共水没しました。水の中でペダルを回している具合になりました。倒れなければいいなあと思いましたが、何とか抜けることができました。もう一つ先の信号も同じ状態でした。

上野のふれあい館を出たときからライトが暗かったのですが、なんとか誤魔化して来ました。美里まで来たとき、コンビニに入って電池を買うことにしました。支払いをしようとサドルバックに入れていたお札を取り出してみると、水に漬けたように濡れていてすべてが一塊にくっ付いていました。レジのお姉さんが吸い取り紙を出してくれて一枚一枚挟んでくれました。支払いを済ませて外に出るともう完全に夜になっていました。
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【こうして一枚ずつ紙にはさんでくれました。コンビニでは結構あることなのでしょうか。今朝撮影。】

7時40分帰宅。ずっと降られっぱなしでしたが温度が下がったせいか、エネルギージェルを3つ、ウィダーを1つ吸ったせいか、ふれあい館で思わぬ長時間休憩を取ったせいか、体力的には余裕がありました。疲労感は沸きませんでした。本当に不思議なくらい。ただ、家で暖かいシャワーを浴びて出ると、くしゃみと鼻水が止まらなくなりました。体の緊張が解けたせいでしょうか。

今回の教訓。ロングライドに行くに当たって、1)やはり夕立の季節にはレインウェアを携行すべき 2)サドルバッグは防水性能を持つものに限る

今週は11日まで私の夏休みです。またどこかに行こうと思います。
Commented by tomochan at 2011-08-08 19:54 x
すごい大冒険のようでしたが成功おめでとうございます。
次の目標はR299全線走破でしょうか?
児玉での水中走行のお話、悪いですが場所が場所だけに江戸時代に本庄の人が原型を作ったと言われる自転車の先祖「陸船車」を思い出してしまいました。(^^)
何はともあれご無事で生還何よりでした。
次のチャレンジも楽しみにしてます。
Commented by く〜ま〜 at 2011-08-08 20:32 x
いやはや、本当に大冒険のような・・・お疲れ様です&目標達成おめでとうございます!
この時期、天気の変化が激しいのですね〜
写真を見てても同じ日とは思えないほどの変化で驚きです。

小海中心街への素堀?のトンネルがいい雰囲気ですね。
宮崎アニメとかに描かれてそうな感じではないですか!

私の足では自走はキツイので紅葉の時期にでもランドナー持って行こうかな。
Commented by hayazou2002 at 2011-08-08 20:42 x
222kmとは凄いですね。
Commented by 銀輪乗士 at 2011-08-08 21:09 x
200kmオーバーおめでとうございます^^
拙もいつか雨具を忘れずに逆周りでもしてみようかしら。
Commented by ZERO at 2011-08-08 22:54 x
222km!目標達成おめでとうございます\(^o^)/
凄いですね~ とてもまね出来そうにありません(^^ゞ
その半分くらいならご一緒できるのですが・・・

天気も激しく変化して大変でしたね。
私が言うのも何ですが、風邪には注意してくださいね。
Commented by haru-155 at 2011-08-08 23:12
今晩は!

いや~!凄いですね!
偉業達成おめでとうございます<(_ _)>
しかも凄いお天気の中。。
はるさんの根性と体力には脱帽です。。

私も、週末信州まで車で帰ったのですが、、日帰りはきつくて無理です~^^;
風邪、お大事になさって下さい。。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-09 23:10
tomochanさん、こんばんは。
次の目標?250kmオーバーでしょうか。
「陸船車」というものがあったとは知りませんでした。勉強になりました。文字通り船が付いていれば安心なシーンでした。
もう雨はこりごりです。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-09 23:12
銀輪乗士さん、こんばんは。
抜け駆けをしたようで済みません。今度は本当に一緒に行きましょう。
雨具は確かにあった方が良さそうですね。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-09 23:13
ZEROさん、こんばんは。
ZEROさんならこの位の事は朝飯前にできますよ。
ご心配いただきましたが、風邪はほぼ大丈夫のようです。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-09 23:14
hayazou2002さん、こんばんは。
いや、やっと何とかできた具合です。天候が悪かったのは塞翁が馬だった可能性もありますね。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-09 23:17
haru-155さん、こんばんは。
根性はないのですが、帰ってくるしかないので、雨の中も漕ぎつづけました。
確かに普通の帰省だと日帰りはきついでしょうが、自転車のライディングの場合は走ることそれ自体が目的になっていますからね。ちょっと意味合いが違います。
風邪は何とか大丈夫のようです。一晩寝たら、一応ケロッと…。
Commented by haru_ogawa2 at 2011-08-10 00:07
く~ま~さん、こんばんは。
ありがとうございます。とりあえずこの夏の目標達成です。後はおまけみたいなもの。
あのトンネル、良く作りましたね。偉いと言えば偉いですね。
ランドナーもいいですね。私もこの夏にまたCX900にちょっと乗ってみようかなと思っているのですが、なかなか。
by haru_ogawa2 | 2011-08-08 18:19 | Comments(12)

元々は自宅の回りの植物(枯れ草・枯れ葉・花・紅葉等)を撮っていましたが、今はよさこいのイベントを撮ることが多くなりました。GANREFにも投稿しています(https://ganref.jp/m/haru_ogawa/portfolios/photo_list/page:1/sort:ganref_point/direction:desc)。


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