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「セブン・イヤーズ・イン・チベット」

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」

チベット入った途端、成熟した人間となった主人公。派手な前半とジンワリする後半。見せてはくれます。

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家庭を顧みず山に登りたがる自分勝手なオーストリア人。身重の妻が泣いて止めても、未踏峰のナンガ・パルバット登頂を目指して出かけてしまう。4カ月で帰ると言って。時に1939年。男は登山隊の中でも我儘な振る舞いを通すが、一行は雪崩に襲われ、登頂を諦め山を下る。待っていたのはイギリス軍。ドイツとイギリスが戦争状態に入ったため、登山隊一行はイギリス軍につかまり戦争捕虜になってしまった。男は何度も捕虜収容所からの脱出を試み失敗するが、一行の共同作戦でついに成功する。そして、北インドで逃避行を続け何とかチベットに潜り込むという一つのお話。何度も銃撃されながら、よくもまあ弾が当たらなかったものだというハリウッド流の都合の良さを以て描かれている。これは、アクション映画の部分。

チベットに入ってからは、たまたまラサ中枢部に厚遇され、チベット人と一体感を以て過ごしていく。そして、自分の息子と重ねながらダライ・ラマの成長に接していくが、一度も会ったことの無い息子への愛情、望郷の念に苦しめられる。結局、中国軍にチベットが制圧された情勢の中で、帰国の途に就く。母国の戦争は終わっているし、ダライ・ラマからもあなたの仕事は終わったと言われた。オーストリアに到着し息子に会いに行った時には1951年になっていた。こちらはジンワリする人間ドラマの部分。ここでは、主人公は調和のとれた人間として描かれている。

チベット人の生活や僧のあり方、宮廷生活が興味深く描かれている。これがこの映画の一番の魅力だろうか。

主人公の人間性はチベットに入った途端変わったように見える。不自然なようにも見えるが、チベット文化と風土がこのような変化を自然に引き起こしたというようにも理解できる。まあ、そう受け取らせたいのだろう、制作者としては。でも、そのことを納得させる演出が不足しているように見える。

ただ、この映画は実話に基づいて制作されたものだという。数奇な人生を歩むことになった方がいるものだ。興味深く、最後まで拝見した。
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by haru_ogawa2 | 2018-04-20 22:28 | その他 | Comments(0)

元々は自宅の回りの植物(枯れ草・枯れ葉・花・紅葉等)を撮っていましたが、今はよさこいのイベントを撮ることが多くなりました。GANREFにも投稿しています(https://ganref.jp/m/haru_ogawa/portfolios/photo_list/page:1/sort:ganref_point/direction:desc)。


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