随分ご無沙汰しておりますが、生きています。
このところ、自由時間には、本を読むか、映画を視るか、音楽を聴くかしています。完全にインドアライフ。ロードバイクはおろか写真も撮っていません。自分が写真を撮るなんて、自分らしくないとさえ感じます。どうも意欲がわきません。
私はもともとあまり映画を見る方ではありませんでした。学生時代はお金がなく映画館の料金も工面できませんでした。また、本代を削ってでも視たいという魅力を、映画に感じることもありませんでした。映画では感動できないと思っていたのです。就職してから、映画の話題を振られたとき職場の同僚にそう言ったら、「カンドウ・・・・・?」と絶句されてしまいました。どうも、映画を見るということは、それほどの重い体験ではないと、その方は理解されていて、それが世間の常識だろうと思っていたようでした。きっとそうなんでしょうね。でも、私にとっては、勉強以外の本を読むことは感動できて当たり前、そうでなかったら読む価値はありませんでした。何をするにも私にはそれが基準でした。”楽しむ”という言葉は、私の行動には関係ありませんでした。
でも、それは昔の話です。歳を取って、そろそろ人生のけりのつけ方を考えなくてはならない時期となって、いつまでも若者の悲壮感に浸って生きているはずはありません。”楽しむ”-結構ですね。大いに楽しみたいものです。ただ、”楽しむ”にも二通りがあって、能動的な楽しみ方と受動的な楽しみ方があると思います。私の趣味の中では、ロードバイクは能動性100%、読書は能動性50%、写真撮影は能動性20%、映画の視聴はテレビと同じで能動性5%程度かなぁと感じます。やはり、能動的になればなるほど達成感は高まりますよね。
能動的かどうかは、自分に対して負荷がどのくらいかかっているかによると思います。まあ、私にとっての写真撮影は楽~な趣味です。所詮傍観者ですから。よく言って軽~~いスポーツ。第三者として眺めている部分と、手足頭を使ってアクションする部分の複合物だと思います。映画は、机の前に座って、ただ選んで視るだけ。選ぶという部分にだけ能動性が発揮されるのかなぁと思います。そんな能動性の少ない趣味に浸っていることが、このところ多くなっています。
視るのはamazon prime。宣伝するわけではありませんが、amazonのプライム会員になっていると、結構な本数の映画とTVドラマがタダで見られます。ネットを通して配信されているものをタブレットやスマホ、PCのモニターなどで見られるわけです。私の場合は、PCモニターで見ています。理由の第一ははモニターの大きさ。27インチのフルハイビジョンの解像度なので、50㎝から1mの距離で視る分には割と迫力があります。第二はパソコンの脇に小型でソコソコのピュアオーディオのセット(これはこれで少々能動性のある趣味です)が置いてあること。これで、映画館に迫ろうかという音量を出して楽しんでいます。
初めに、学生時代、映画は感動しないと考えていたと書きましたが、今視ていると、涙が出て困る映画がたくさんあります。涙が出ないまでも、しみじみとした良さを感じるものも結構ありますね。単なるワクワクドキドキや虚仮おどしでない映画がこれほどあるということに初めて気が付きました。まあ、こんなしみじみ系でコストを回収できるほど客が入るのだろうかと心配になったりもしてしまうのですが。
素晴らしい映画を視ても達成感はほとんど感じられないところがちょっと残念なところですが、いましばらくはこの趣味に浸っていこうと思っています。
これから、見た映画の感想をちょとずつ掲載してみようかと思います。書いたところで何の意味もないのですが、このブログの有料会員であるのにずっと放置しているのは経済原理に反していると自分に言い聞かせ、無理をしない程度に軽ーく書いてみようと思います。
ショーシャンクの空に(字幕版)
しみじみと良い。最後のしっぺ返しは痛快。
しみじみと良いですね。屋上でペンキを塗るところから、この話、本で読んだことがあったなぁと気が付きましたが、誰のどんな本だったか思いだせませんでした。最後に「Special Thanks to Stephen King」に出てきて思い出しました。原作は短編でしたが、それをこれだけ長尺の映像にして成功していますね。ただ、原作よりも主人公を、甘く優しい人物に描いていますね。最後に素晴らしいしっぺ返しが出てきますが、それでも原作よりは甘いですね。でも、それはそれで良いと思います。良い気持ちになれました。
くちびるに歌を
気になるところはあるけれども、心の洗われる映画。良いです。
幾つか気になる点はありましたが、良いです。涙が出ました。
気になることの方から。
一つはこの主題歌。『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』。随分ヒットして、合唱でもいろいろ使われた曲であることは知っていますが、私は、この歌詞がいただけません。まるで文章です。散文。最初から最後まで右脳と左脳を別々に働かすことを強制されます。酔えません。ピアニストの手元も気になります。一目見て付け焼き刃であることがわかります。ソロイストとしてコンサートに登場するピアニストには絶対に見えません。コンクールでの合唱は、わざと、上手すぎないように調整したのでしょうか。このくらいの方がリアリティーは出ているのかもしれませんが、もうちょっと上手く歌わせてあげた方が映画には酔うことが出来たかなと思います。
でも、ネガティブな関係から入って、結局は理解しあってハッピーで終わるという筋道、悪くないですね。部長と自閉症の青年が幼いころ接点があったという偶然、途中から(そろそろ気が付くかな)と思って見ていましたが、悪くないですね,この設定。最後にその青年のためにみんなで歌っちゃうなんて堪りませんよ。涙を抑えられません。
生徒たちの一途さも良いですね。こんな良い子たちがこんなにいるんだろうかと思いますが、でも、やはり惹かれますね。
また、私にも障がい者の家族がいて、今年どうなるんだろう、来年はどうなっているんだろうなという気持ちに、すぐになってしまうのですが、ラストのシーンを見ると嬉しくなります。救われるような・・・。まあ、見終わった後、厳しい現実があることはもちろん忘れられないのですが、それでもやはり良いです。心が洗われるような気がします。
見てよかった。